【初心者向け】インデックス投資の基本まとめ!

NISAやiDeCoなど非課税制度が充実し、注目度が高くなってきている株式投資。本やYoutubeでもたくさんの情報が発信され、かつてないほどに株式投資が浸透してきていますが、情報に惑わされて何を買えば良いのか分からなくなることもあります。

今回の記事では、株式投資とは何かという超基本的なことから、リスクコントロール、インデックス投資の有効性についてまとめます。最後に、現時点で最適な投資先の候補を2つ挙げ、自分のポートフォリオも紹介します。

この記事を読めば、

  • 株式投資において、投資家が意識するべきことは何か
  • インデックスファンドが長期投資家にとってなぜ良いのか
  • おすすめファンド・ポートフォリオの例

が分かります!

それでは見ていきましょう🔥

株式投資って何??

株式投資というのは、ざっくりですが

「株式会社の将来性に期待して、会社が発行する株式(ペーパーアセット)1を購入し、配当や株価の上昇をもって利益を狙う投資手法(リスクあり)」

のことです。

株式投資で投資家が得られる金銭的なメリットは、配当金と株価上昇の2種類です。これらは不労所得、株式を買って寝ているだけで得られる夢のような所得です…!

なぜこんなに簡単に利益が生まれるのでしょうか?2

これはズバリ、株式を買うというのは会社の株主になるということであり、株主からもらったお金で会社が利益を生み、会社の成長が株主に還元されるからです。

もう少ししっかり書くと…

発行された株式を投資家が購入すると、会社にお金がまわり、そのお金で事業を拡大させて会社は成長していくことができます3。会社が成長すると、会社の価値(時価総額)が上昇し、投資家がよりその会社に期待して株式を購入し、会社にお金が回ります。お金を回してくれたお返しとして、会社は投資家に配当金の分配を行います。会社によっては前年より配当額を増配することもあるでしょう。また、しっかりと成長を遂げていたり、今後も成長が期待できる会社の株は、みんなが買っていくので、株価が上昇していきます。このように、投資家のお金を使って会社が利益を生み、その利益の一部が投資家に戻ってくるのです4

素晴らしいシステムですね…!

配当金と株価上昇、どちらも良いのですが、様々な理由があって、株価上昇の方がより効率的に資産を膨らませられる可能性が高いです。従って、本記事では株価上昇に着目してつらつらと書いていきます。

低コストのインデックスファンドを長期運用=堅実な株式投資の最適解

株式投資のリスクとリターン

株式などを通じて資金を調達した企業は事業拡大に向けて頑張っていきますが、必ずしも成長を遂げられるわけではなく、順調に成長していても不祥事や競合企業の台頭によって資金流入が減少することもあります。また、国の金利政策や世界情勢、天災など会社とは関係のない事柄によって株価が減少することもあります。このような様々な要員に影響を受けるため、株価の動きはランダムとなります。

けいちゃん
けいちゃん

ランダムに動いていたら株価の予測なんてできないし、投資したくないよ!

このような声が聞こえてきそうです。実際その通りで、日々の株価を正確に予測することは不可能であり、時に株価暴落によって多くの投資家が損失を被ります。株式投資とはこのような危険性を持っている投資手法なのです。

リスクの大きさと関連しています。株式投資においてリスクとは、単に危険性を指すわけではなく、ランダムに動く株価の変動の大きさのことです。つまり、リスクが大きい ≒ 大きな株価上昇及び大きな株価下落をもたらす可能性がある、と言えます5

「リターン(株価上昇)はコントロールできず、リスク(株価変動の大きさ)はコントロールできる」

これが株式の特徴です。投資家はリスクを適切にコントロールしながら投資対象を決める必要があります。(ただし、後ほど説明するように、長期的には株式市場全体は成長してリターンを生む可能性が高いです。)

分散投資の大切さ

リスクの大きさは、企業によって異なります。利益を研究や事業拡大に積極的に使う若い企業はグロース企業と呼ばれ、リスクが高い傾向にあります。一方、ベテランの企業になると業績が安定してきたり、利益を配当金として投資家に渡すことが多いため、株価のリスクは小さくなる傾向にあります6。どちらが良い悪いという話ではなく、あくまでそのような性質がある、ということです。個別の企業に投資をしている限り、倒産によって株式が紙切れになる危険性はあります。

それでは、どのようにリスクをコントロールすれば良いのでしょうか?

これに対する答えの1つは、分散投資です。複数の企業の株を買えば良いのです。これに対して、1銘柄に集中した投資は集中投資と呼ばれています。なお、銘柄を分散させれば、平均的なリターンになりますので、大幅な株価上昇をした銘柄に集中投資をした場合と比べて当然リターンは小さくなります。

投資スタイル集中投資分散投資
リスク
リターン大きい可能性もある分散した平均

リスクが大きいと、大きな株価下落となる可能性もあるが、大きな株価上昇となることもある、と述べました。ですので、時代のうねりをとって大きなリスクをとりにいく、という戦法もありです。ただし、リターンをコントロールすることができない以上、大きなリスクをとるということはギャンブル性を大きくするということと等しくなります。特に、個別株に集中投資というのは、倒産の可能性を考えると、出来るだけ避けた方が良いです。

よって、堅実な投資を行いたいならば、個別株への集中投資ではなく、少なくとも複数の株式で分散投資をする、というのが必須になります。

けいちゃん
けいちゃん

リスクをコントロールするのは良いけど、本当にそれで利益が出るのかな?

その通りで、分散投資はリターンを強めるというよりは、リスクを減らして防御力を固めるための方策ですので、利益がどれくらい出るかは不透明です。しかし、「長期的にインデックスファンドに投資をする」のならば、人類の経済が成長する限り、年平均4~5%程度はリターンが得られます。このことについて、以下で説明していきます。

アクティブ投資とパッシブ投資

株式投資には2つの流派:アクティブ投資とパッシブ投資があります。

アクティブ投資とは、人間の意思を銘柄選択に反映させた投資手法です。個別株投資や、投資機関に勤めているプロの専門家が運用する投資信託7(アクティブファンド)がアクティブ投資にあたります。会社の決算や時代の流れに応じて、銘柄入れ替えを行なっていく、という手法になります。

一方で、人間の意思を極限まで反映させずに特定の指数に連動させて銘柄を組み替える投資手法がパッシブ投資です。パッシブ投資では、インデックスファンドと呼ばれる投資信託に投資することになります。

けいちゃん
けいちゃん

アクティブ投資…なんだか格好いいなあ…

アクティブ投資は人間の意思・考えを反映させるので、より投資をしている実感が湧きやすく、魅力的に思う投資家は多いです。自分で銘柄選択を行うことで大きなリターンを獲得している投資家も世の中にはいます。

しかし残念ながら、長期的にインデックスファンドを上回る成績を残せるアクティブ投資家はほとんどいません。下の図は S&P Globalが報告している、アメリカの大型かつ黒字企業500社を時価総額順に重み付けした指数であるS&P500に連動するファンドの成績を下回った(アンダーパフォームした)ファンドの割合を示しています。過去15年間でおよそ9割のファンドがS&P500に敗れています。勝てたファンドはたったの1割です。期間が1年であっても半分以上のファンドが敵わず、長期になればなるほどS&P500に勝つことは困難になります。アクティブファンドはプロの投資家が運用していますから、素人の個人投資家が運用する個別株投資でS&P500に勝つのはなおさら至難の業でしょう。

2023年12月31日から過去15年間でS&P500をアンダーパフォームしたファンドの割合。
https://www.spglobal.com/spdji/jp/research-insights/spiva/#us

経済は全体としては右肩上がりで成長してきた

けいちゃん
けいちゃん

パッシブ投資が長期的に強いのは分かったけど、実際の株価推移を見ないと納得できないぞ

下の図は、米国インデックスS&P500の1789年から2024年までの価格推移です。縦軸は対数軸になっています。これは、過去235年間において、米国市場が右肩上がりで成長してきたことを示すだけでなく、指数関数的な成長を遂げてきたことを意味しています8。特に直近30年間の伸びは凄まじく(年平均リターン: 12.5%)、世界中から米国経済は注目されています。

S&P500の1789年5月から2024年7月までの価格推移。縦軸は対数軸。データはこちらから取得。

このように経済は全体としては長期的な成長を遂げる傾向にあります。一方アクティブな投資では、リターンが特定の企業の業績や業界の景気に左右されたり、ファンドマネージャーに支払う多額のコストが積み重なることでリターンが食いつぶることが多いため、長期にわたってインデックスを上回る成績を残すことが難しいのです。

投資にかかるコストを甘くみてはいけない

個別株に投資をする際は、取り扱っている金融機関に0.数%〜数%の売買手数料を支払う必要があります。また、投資信託に投資をする場合は、さらに資産運用会社に管理にかかる経費を支払います。

パッシブなインデックスファンドはただ指数に合わせて機械的に銘柄を入れ替えればよく、経費率は0.1%以下のものも多いです。一方、アクティブファンドの場合には、ファンドマネージャーが考えを巡らせて厳選した銘柄を組み替えていきますから、運用会社に支払う経費は高額になり、1%以上のものも珍しくありません。この違いが、投資家が得るリターンに大きな差をもたらします。

下の図は平均リターン4%の投資対象に1ドル投資した場合の資産額の経年推移を計算したものです。赤は毎年資産額の1%がかかる場合、青が毎年資産額の0.1%がかかる場合です。両者の差は年数を重ねるごとに顕著となり、30年後は赤線が2.4ドル、青線が3.2ドルとなります。初期投資額が1ドルだと0.8ドルの差しかありませんが、初期投資額が1万ドルであれば、両者の差は8000ドルです。この差はばかにできません。

これに加えて、時価総額加重平均のインデックスを上回る成績の個別銘柄やアクティブファンドは少ないですから、さらに大きなリターンの差が開きます。

平均リターン4%のファンドに1ドル投資した場合の資産額の経年推移。
赤の曲線:毎年1%のコストがかかった場合、
青の曲線:毎年0.1%のコストがかかった場合。
30年後の資産額は、赤線が2.4倍、青線が3.2倍となる。

インデックスは広く分散されてリスクも抑えられており、かつリターンを担保する条件が揃っていますから、低コストのインデックスファンドに長期投資、というのが多くの投資家にとって最適解となるのが分かりますね。

けいちゃん
けいちゃん

コストの影響はとても大きいね…

投資方針を決定しよう!

以上のように、株式投資を堅実に行うならば、「低コストで分散の効いた優良インデックスファンドに長期投資」が最適解の1つになります。

最後の項目では、具体的に投資方針を決める方法を買いていきます!

たくさんお金が入る国や地域を調べる

まず、たくさんお金が入る、豊かな国や地域を調べます。2024年現在、この代表例は米国です。世界を代表する企業が多くあり、株式・経済を取り巻く法律もよく整備されています。

日本やヨーロッパの先進国も良いのですが、米国経済の成長には劣ります。

一方で、紛争の絶えない地域に投資をするのは危険です。また、東南アジア、南アメリカ、アフリカなど、経済が発展途上の地域に投資をするのも株式リスクが大きく、難易度が高くなります。

けいちゃん
けいちゃん

米国経済が今後も成長を遂げるかどうかは分からないのでは?

これはその通りで、今後もずっと米国経済が過去と同じように大きな成長を遂げると言い切ることはできません。米国以外にも分散投資したい場合は、世界中の企業に分散をする全世界インデックスに連動するファンドに投資をするという手があります。米国が衰退すれば米国株の割合が自動的に減るので、常に時代に乗っている国・地域に多く投資できます。

時価総額加重平均が最も効率が良い

複数の株式に分散して投資をする際、投資する割合によってリスクとリターンが変化します。下の図はリスクとリターンが異なる資産A(リスク3%, リターン2%)と資産B(リスク5%, リターン5%)に投資をした際に、AとBの投資割合を変えた時のリスクに対するリターンのプロット(青丸)です。ここで、リターン / リスク(= シャープレシオと呼ばれています)が最大となる投資割合が、最も効率の良い割合と言うことができます。下の図だと、星マークになっているところ(Aを50%, Bを50%の割合)がシャープレシオ最大です。なお、青点を繋いだ境界曲線は効率的フロンティア、オレンジ線は資本市場線と呼ばれ、両者の接点がシャープレシオ最大の割合となります。

資産Aと資産Bに投資をした際の効率的フロンティア(Efficient frontier)
及び資本市場線(Capital market line)。
効率的フロンティアと資本市場線の接点がシャープレシオ最大、
つまりリスクに対してリターンが最大となる。

シャープレシオが最大となるように分散するには、時価総額加重平均で分散させれば良いということが知られています。時価総額が大きい企業は多めの割合、小さい企業は少なめの割合で投資をすれば良いのです。

時価総額加重平均型のインデックスはたくさんあって、米国のS&P500や全世界株インデックスのACWI (all country world index) 、日本のTOPIXなどがあります。

何を買えば良いの??

上記の通り、時価総額加重平均で広く分散されたインデックスファンドに投資すれば良いです。

今は低コストのインデックスファンドがたくさんあります。代表的なファンドは以下の2つです。

  • 「emaxis slim 米国株式(S&P500)」:米国の大型かつ黒字企業の約500銘柄に時価総額加重平均で分散。配当込み、円換算ベースで運用。
  • 「emaxis slim オールカントリー」:世界中の約3000銘柄に時価総額加重平均で分散。配当込み、円換算ベースで運用。

騰落率(リターン)、実質コストは以下の通りです。

ファンド名対象となる
インデックス
1年間の
最大/最小騰落率(2019年4月~2024年3月)
平均騰落率
(2019年4月~2024年3月)
実質コスト (2023年4月~2024年4月)
emaxis slim S&P500S&P500
(約500銘柄)
55.5% / -7.1%19.5%0.104%
emaxis slim オールカントリーMSCI ACWI
(約3000銘柄)
56.5% / -12.1%15.8%0.131%
S&P500及び全世界株指数(MSCI ACWI (All Country World Index))に連動する代表的なインデックスファンド。両ファンドともに配当込み、円換算ベースで基準価格が変動する。実質コストは、信託報酬のほか、様々なコストを含めたトータルの経費率。

オールカントリーの方がリスクと実質コストが大きい点に注意が必要です。新興国を含むことでリスクが大きくなり、銘柄数もS&P500の6倍程度ありますから運用にかかるコストが大きくなるのは当然のことですね。それでも両者には0.03%程度しかコスト差がないというのは驚異的です。

両ファンドともに長期・分散・低コストの条件を満たしており、最適な投資先の有力候補となります。

ファンドの騰落率や実質コストの情報は、以下のリンクの交付運用報告書などにアクセスすると見ることができます。

自分のポートフォリオ

ここまでの話でお分かりの通り、私自身はインデックスファンドの長期投資に重点をおいて投資をしています。ポートフォリオ(資産配分)は以下のような感じです。

自分のポートフォリオ。資産のほとんどをインデックスファンドに投資しており、
そのうち9割がS&P500に連動するインデックスファンドとなる。

全世界株より米国インデックスの方がリスクが小さいということで、米国インデックスに投資をしています。ほとんどがS&P500に連動するインデックスファンドで、NASDAQ100に連動するファンドも少し保有しています。NASDAQ100はNASDAQという米国の株式市場に上場されている金融セクターを除いた100銘柄に時価総額加重平均で分散させた株式指数で、米国が強い情報技術セクターの銘柄が多数含まれています。(NASDAQ100の魅力については別記事で書きます)

具体的な保有ファンドは

  • S&P500:emaxis slim S&P500, SBI v S&P500, 楽天S&P500
  • NASDAQ100:ニッセイNASDAQ100, 楽天NASDAQ100

です。これらは全て経費率最安クラスなので、同じ指数に連動しているもので比べればリターンの差はほとんどありません。

現金比率が1割未満ですので、株式にほぼフルインベスト状態です。これまで国内・海外個別株や増配系やセクター系の米国ETFも買ってみたことがあるのですが、どうも肌に合わず、S&P500とNASDAQ100に連動する投資信託に、タイミングを測らずに余剰資金を入れる、という方針に落ち着きました。この辺りは投資家のリスク許容度に応じて変わりますので、まずはS&P500や全世界インデックスの低コストファンドを買ってみて、徐々に自分に合ったポートフォリオを構築するのが良いのではないでしょうか。

自分のポートフォリオや資産推移については、随時、ブログに載せていこうと思います!

まとめ:堅実な株式投資でコツコツ資産を増やそう!

以上長くなりましたが、インデックスファンドの特徴を中心に、基本的な事項をまとめました。重要な点は以下の3点です。

  • 株式のリターンは予測できないが、リスクはコントロールすることができる。ただし、長期的には株式市場全体は成長し、リターンが出る可能性が高い。
  • コストの影響を甘くみてはいけない。
  • 株式投資の最適解の1つは、時価総額加重平均で広く分散された低コストのインデックスファンドへの長期投資となる。

株式投資の基本を理解して、堅実に資産を増やしましょう!

それではまたっ!

<脚注>

  1. 株式の定義は、株式会社が資金を調達するために発行する有価証券(財産としてみなすことのできる書類の1種)のこと、となります。 ↩︎
  2. 配当金には税金が無条件でかかるのでコスト面で不利なこと、1株あたりの配当金はせいぜい株価の3~4%であり、それが増配して長期的に増えていくとしても株価上昇の増加には敵わない可能性が高いこと、が理由として挙げられます。詳しくは別の記事で書こうと思います。 ↩︎
  3. 株式の他にも、社債を発行してお金を集めることもあります。 ↩︎
  4. 金銭的なメリットの他にも、株式総会に出席することで会社の経営方針に意見をいえるようになる、といったものもあります。 ↩︎
  5. リスクを見誤ると、大きな損失を被ることがあります。また、会社の倒産によって株式が無価値の紙切れになることもあります。 ↩︎
  6. 他にも、海運や鉄鋼、自動車など景気に敏感な企業の株はリスクが大きく、ヘルスケアや食料品などいつの時代も需要がある企業の株はリスクが小さい傾向があります。 ↩︎
  7. 投資信託とは、様々な銘柄が組み入れられた、100円から1円刻みで購入できる金融商品のことです。資産運用会社が管理をして定期的に銘柄組み換えを行う代わりに、投資家は信託報酬などのコストを支払う必要があります。 ↩︎
  8. このデータは、株価が複利的に増加することを意味しています。 ↩︎

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